政治家の方々は、少子化は防げる問題だと思っている人が多いように感じますが、今後も日本の人口が減少していくことは確実です。そもそも子どもを産む女性の人口が減っているためです。
コラムニストの荒川和久さんが“少母化”と表していますが、その通りだと思います。
ニュースでよく聞くなぁぐらいでしか考えてこなかった少子高齢化は、今の時代を生きる子どもたちが大人になった時、本当にヤバイ社会が待っていることを意味しています。
現在、人口減少対策総合研究所理事長の河合雅司さんが人口問題について書かれて注目された「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」(講談社現代新書・2017年)の中で、少子高齢化や人口減少によってこれから日本で起こる衝撃的な事例を挙げてみます。
- 2025年 団塊世代が75歳以上の後期高齢者になり医療費や社会保険費が膨らみ始める
- 2030年 団塊世代の高齢化で東京郊外にもゴーストタウンが広がる
- 2035年 男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚という未婚大国になる
- 2040年 団塊ジュニア世代が65歳以上となり、人材不足が深刻化する
- 2045年 東京都民の3人に1人が高齢者となる
- 2050年 団塊ジュニア世代が75歳以上となり、社会保障制度の破綻懸念が強まる
確かに電車やバスに乗ったりすると、優先席は高齢者の方でいつもいっぱいですし、感覚的には理解していましたが、数字で見るとかなり怖くなります。冒頭の通り、少子化が想定よりも早く進んでいるということは確実に起こってくるということを実感してしまいます。
そして、間近に迫っているのが「2025年問題」です。これは、第1次ベビーブーム(1947〜1949年)に生まれた団塊の世代が75歳を迎え、超高齢化社会が到来することによって起こるとされている問題です。超高齢化社会で起こるとされている問題が、医療逼迫、社会保険の上昇、労働力不足の3つあります。
我々子育て世代の生活に身近な問題が社会保険料の上昇です。今でもかなりの割合が給料から天引きされていますが、今後さらに保険料率が上がるだけでなく税金も上がる可能性があります。
また、払うお金だけでなく、将来もらえるお金の方で気になるのが年金です。多くの方が心配していると思います。以前読んだ「だまされないための年金・医療・介護入門」(学習院大学 鈴木亘 著)によると、1940年生まれの人は払った額よりも受給する額が4,850万円多くなります。
一方、は2000年生まれの人は、払った額の方が3,260万円多くなり損をすると予想されており、その差額が8000万円におよびます。これは衝撃的でしたし、世代間格差がありすぎと思いましたが、自分の子どもはこれよりも差が大きくなるはずで愕然とします。
年金制度自体の詳細についてはここでは割愛しますが、子育て世代が含まれる現役世代が年金を受け取っている高齢者を支えています。それなのに、政治の世界ではシルバー民主主義(有権者全体のなかで高い割合を占める高齢者向けの施策が優先される政治のこと)の世の中が続いているせいで、子育て支援の予算の当てがないないという現状を子育て世代はもっと真剣に考えないとヤバいです。
でも考えたところで少子化が進んだせいで人数的にどうしようもできない状況になっているというのも事実ということが本当にヤバいです。
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